
Belisario / ベリサリオ
ワイナリー情報
ベリサリオは、1971年にマルケ州西部のマテリカに設立された協同組合のワイナリーで、現在は130人のメンバーが所属し、300haのブドウ畑を所有するマテリカ最大の生産者です。マテリカ全体のワイン生産量の70%を占め、年間150万本を生産しています。畑は標高350m~750mの高地に位置し、周囲を標高1500mの山々に囲まれているため、大陸性気候でありながら昼夜の寒暖差が大きく、上質な酸とミネラルを備えたワインが生まれます。ヴェルディッキオ・ディ・マテリカDOCの中で最大規模のワイナリーとして成長しており、マテリカのワインはミネラルが強く香りが深いのが特徴です。
ベリサリオではエノロゴのロベルト・ポテンティーニ氏の指導のもと、ガンベロロッソでトレビッキエーリを受賞するなど、高品質なワイン造りを行っています。また、一部の畑ではビオロジック認証を取得し、サステイナブルな農業にも取り組んでいます。ベリサリオという名称は、ローマ時代の軍の偉人の名前に由来しており、マテリカの隣町を築いた人物にちなんで名付けられました。マテリカ最大の生産者でありながら、品質を追求し持続可能なワイン造りを実践するワイナリーです。
サスティナブル
ベリサリオでは、環境に配慮した持続可能なワイン造りを実践しています。一部の畑ではオーガニック農法を採用し、自然由来の肥料を使用することで、可能な限り銅(ボルドー液)の使用を抑えています。また、化学肥料は一切使用せず、羊が草を食べることで除草を行い、その糞を堆肥として活用するエコシステムを構築しています。組合のメンバーにはオーガニック農法を信じる生産者もいれば、そうでない生産者もいますが、ベリサリオとしてはそれぞれの考えを尊重し、持続可能なワイン造りを目指しています。さらに、環境負荷を減らすため、トラクターの使用を極力控え、電気やガソリンの使用を避け、現在はソーラーパネルのみを利用しています。
また、2019年には「アニモロジコ」というワインプロジェクトを大学と共同で開始し、二酸化硫黄(SO2)を使用しない自然なワインの研究を進めています。このプロジェクトでは、銅を一切使用せず、貝から抽出した天然成分を薬として利用し、オゾンでブドウを洗浄することでバクテリアを除去しています。また、バイオ酵母を活用し、防腐剤として緑茶由来の成分を使用するなど、すべて自然由来の材料でワインを生産しています。保存料を使用しないため、ワインは特注の黒いガラス瓶に詰められ、太陽の光を遮る工夫が施されています。環境への配慮を徹底しながら、高品質なワイン造りを実践しています。