
Castello di Fonterutoli / カステッロ・ディ・フォンテルートリ
ワイナリー情報
カステッリーナ・イン・キャンティにある「カステッロ・ディ・フォンテルートリ」 は1435年からマッツェイ家が所有しており、キャンティ・クラシコにおいて、600年の歴史を誇っています。
所有する総面積650haのうち、ぶどう畑は110haのみで、海抜220~570mに位置する7つのエリア、114の区画に別れています。栽培している品種はサンジョヴェーゼを中心に、メルロー、カベルネソーヴィニヨン、マルヴァジア、コロリーノなどで、特にサンジョヴェーゼは長きにわたり、マサルセレクションとクローンセレクションの研究を重ねてきました。現在では36種類のバイオタイプを栽培しています。植樹率はキャンティ・クラシコの標準の3倍の高密度であり(1haあたり7500本)、収量も1本あたり800g~1kgと徹底した管理を行っています。
また、全ての畑が異なるミクロクリマを持ち、それぞれの特徴を生かしたぶどう栽培、ワイン醸造を行っています。その結果、多様性と複雑性を特徴とするユニークなワインが生まれています。
2007年に建築家であるアニェーゼ・マッツェイによって建設された新しいカンティーナは、天然の地形を生かすために、3階建ての建物の内65%が地下にあり、重力のみで手摘み収穫、選果されたぶどうを醸造フロア、熟成フロアへと運ぶことを可能にしています。醸造フロアには74のステンレス発酵槽はあり、114の区画のぶどうを別々に醸造しています。地下15mに位置する3000以上の木樽を保管する熟成フロアには、岩壁に天然の湧き水を流れさせることにより、自然のままの湿度、温度を保っています。
ガンベロロッソ誌で合計36回のトレビッキエーリ獲得、ジェームス・サックリングにて90点以上を198回獲得するなど、世界中の愛好家から愛されているマッツェイ家は、その栄光を未来へと繋げるべく、変わらぬ情熱と敬意を持ってワイン造りを続けています。
サスティナブル
ブドウ畑は棚状のテラスに整備することで、浸食の抑制と景観遺産の保護を実現しています。また、水の調整と土地の配置にも工夫を凝らし、水分や有機物の含有量が高い土壌を維持しています。セラーでは、気候制御システムを使用せず、岩壁から湧き出る泉の水をリサイクルすることで、環境負荷の低減に努めています。
マッツェイ家は、まずカステロ・ディ・フォンテルトゥーリで、次にベルグアルドとジゾラで、生態系と生物多様性の安定性を確保することを目的とした持続可能な農業管理プログラムを導入しました。この取り組みにより、除草や化学肥料の使用を完全に廃止し、生産過程で生じる廃棄物(新芽、ブドウの茎、搾りかす、オリーブの搾りかす、馬糞)をリサイクルして有機肥料として活用する独自の堆肥を生産しています。
さらに、土壌中の有機物含有量を自然に向上させるため、緑肥のみを使用しています。この目的のために、豆類、カラスノエンドウ、ササゲ、クローバー、オート麦、大麦、ブルータンジー、マスタード、牧草地のタカヒゲ、ルピナス、エンドウ豆、西洋ワサビなどの植物抽出物を活用し、交互の列に播種した後、発芽後に刈り取ります。
特に、性フェロモンを活用した生物学的害虫駆除を重視し、ブドウやオリーブの木を食害する主要な害虫を抑えることで、合成殺虫剤の使用を最小限に抑えています。